Security Column

セキュリティ人材の育成を考える vol.4 情報セキュリティー人材のキャリアロードマップ

SANS Instituteでは、数年おきに「Salary & Certification Survey」というレポートを公表している。これは、セキュリティ関連業務に従事する人材の 給与や資格に関する調査結果をまとめたもので、最新のレポートは2008年11月 にオンラインアンケートに回答した2,120人のデータをもとに集計・分析されている。

など、ここでは調査結果のごく一部しかご紹介できないが、このほかにも興味 深いデータが掲載されているので、ぜひご覧いただきたい。

また、「IT関連資格保有者全体では報酬額が4%低下する中、情報セキュリティ関連資格保持者に対するそれは2%上昇した」という調査結果も公表され た。これは、米国フロリダ州に本拠を置くFoote Partners, LLCという調査会社が、2,000社に所属する84,000人のIT専門職者の回答をまとめたものである。

企業が資格保持者に対する報酬を戦略的に用いて、重要なスキルを持つ人材の獲得・囲い込みを行っていることを踏まえると、この調査で判明した報酬格差は、セキュリティスキルが企業からますます重要視されていることを示しているといえるだろう。実際、Foote Partnersが作成した高需要資格リストによると、上位10資格のうち6つがセキュリティ関連資格だった。首位はGIACの GCIH(GIAC Certified Incident Handler)。意外だったのは、CISSPもCISMも 24位までのリストに上ってこなかったことだ。ホットな資格と見なされたのは GIACやCheckpoint、Ciscoによる実務スキルベースのセキュリティ資格である。 前述の「Salary & Certification Survey」でも、これと同様の結果が出ている。

現在、グローバルに認知されているセキュリティ関連の認定資格は、実に 190以上存在する。しかし、組織に求められるものとそうでないものの乖離が 鮮明になってきているように思う。「セキュリティプロフェッショナルとしての最低限の知識」があるかどうかを問う総論的な認定資格は、明らかに淘汰の 時代に入ってきているようだ。

対象的に、組織に求められる実務ベースのスキルを確実に身につけ、それを 認定資格取得によって証明できる人材への需要が、急速に高まっているのは間違いない。

さて、セキュリティ業務従事者の関心が高い分野の一つにペネトレーション テスト(脆弱性診断)があることは前述した。攻撃が行われる前にシステムの脆弱性を発見し、対策を施すことによってリスクを軽減することは、ネットワークからアプリケーションのどのレイヤーにおいても極めて重要であることは共通の認識だ。数年前までは、セキュリティベンダーの脆弱性診断サービスの提供を受けることが中心であったが、最近では専門チームを設置し、ある程 度のテストであれば自組織で対応できるようにしているところもある。

しかし、専門的なテストを系統立てて実行でき、実際に組織のセキュリティ強化に貢献できるような人材はまだまだ稀であり、今後ますます需要が高まるであろう。この技術の習得を目指す目的で開発されたのが、「SEC560 Network Penetration Testing and Ethical Hacking」である。コース開始から1年も経たないうちに、人気コースの1つに数えられるようになった。

ペネトレーションテストやエシカルハッキング(倫理的ハッキング)の技術を教えるコースはいくつかあるが、SANSが提供するこのコースは、それらにはない絶対的な差別化ポイントがいくつもある点において、高い信頼性と人気を博している。興味をもたれた方は、このコースの受講をご検討いただきたい。 ペネトレーションテストやエシカルハッキングの技術にある程度精通している人さえも唸らせるコンテンツと、それらをすべてカバーするインストラクターの技術は、受講者にとって得難い財産になるだろう。

SEC560 Network Penetration Testing and Ethical Hackingの詳細

NRIセキュアテクノロジーズ   秋保 美幸
本稿は2009年11月11日に株式会社ネットセキュリティ総合研究所発行 ScanNetSecurityの
SANS Infosec Report欄に掲載されたものです。
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